第十三章 並んで騎乗位-4
「ああっ・・いいぃ・・・
凄いっ・・・ああっ・・凄いっ・・・」
映見の口元から白い歯がこぼれている。
「アキ君っ・・いいよっ・・・凄く、いいよっ」
金髪の顔に両手を添えてリズムを刻む動きはなめらかで、何度もセックスを重ねた夫婦のようだ。
「え、映見ぃ・・・」
思わず声が漏れる。
愛を誓った妻が、男に抱かれるどころか自分から積極的腰を使い、愛おしそうにその名を呼んでいる。
裏切られた想いに、切ない感情がこみ上げてくる。
「ああぁ・・ゆ、裕君・・・」
僕の視線に気づいたのか、映見の切れ長の瞳が僕を見た。
綺麗だと、思った。
見慣れている妻の顔が、まるで別人のようで僕の胸が高鳴る。
「わ、わたしぃ・・
感じてるぅ・・・いやらしいぃ」
訴える眼差しと絞り出す声が、嫉妬心を超え、ある種の愛情を呼び覚ませてくれた。
「え、映見・・・」
僕の口元がほころぶ。
何故か、嬉しく思えたから。
映見が、僕の妻が感じている。
僕以外の男と交わりながら。
「いいよ、映見・・・
もっと、もっと・・感じてごらん・・・」
僕の言葉に妻が嬉しそうに微笑みを返した。
「ありがとう・・・裕君・・・
わたし、もっと・・・いやらしくなるね」
そして、秋生の顔を引き寄せると、唇を奪うように重ねるのだった。
「んっ・・ふぅっ・・・んん・・あふぅ」
「おおおっ・・え、映見ちゃん・・・
おほぉっ・・んぐぅっ・・・」
映見の舌が激しい動きで秋生の舌を絡めとっていく。
まるで犯されているように、秋生は愛撫を受け止めている。
映見の白い両腕が浅黒い背中をギュッと抱き寄せていく。
秋生も細い腰廻りに指を這わせ、スレンダーな身体を確かめているようだ。