人のモノ-1
鉄平の武勇伝は続く。彰はどこかワクワクしながら話を聞いていた。
「で、麻里子とヤッてからさー、何か人のモノをいただくって事がたまらなくなっちゃってさー、わざと彼氏がいる女に狙いを決めてヤリまくったんだよ。で、会社の先輩が…、そいつ気に食わなかったヤツなんだけど、話によると彼女がスゲー可愛いって評判だったから興味湧いてさー。どの女か調べて会社の後輩だって事秘密にしてヤッちゃおうかとも思ったんだけど、やっぱ会社の後輩だって相手が認識しててヤッた方がヤリがいあるかなーって思って、奴らが日曜日に映画に行くって話を聞いてつけたんだよ。で映画見終わってレストランに入ったトコに偶然居合わせたかのように現れて同席したんだけど、もう初めから女、俺の事意識しててさー、こりゃ食えるって踏んだんだよ…」
………
映画を見終わったカップル、鉄平の会社の先輩である30歳の川俣幸紀とその彼女である24歳の南野朱莉はレストランに入り夕食をとる事になった。テーブルに座りメニューを選んでいる時、偶然を装った鉄平がやって来た。
「あれ?川俣さんじゃないですかー!」
顔を上げ鉄平を見る2人。
「おお、神谷じゃん!どうしたんだ、こんなトコで?1人でメシか?」
「はい。いやー、ナンパ失敗しちゃって、寂しく1人でメシしようと思って。」
「よくまぁ飽きずに女のケツばかり追いかけてるな!」
「いやー、ハハハ!」
鉄平は川俣を向いて会話していたが、朱莉の視線が自分に向いている気配は感じていた。鉄平はフッと朱莉に顔を向ける。すると朱莉はドキッとした表情で目をソワソワさせた。
「(ククク、俺を見てドキドキしてやがるよ、この女!)あ、こちらが先輩の彼女さんですか!?」
「ああ。」
「噂通り可愛いじゃないっすかー!」
朱莉は謙遜する。
「いえいえ…」
「朱莉って言うんだ。」
「朱莉さんですね?俺、川俣さんの会社の部下の神谷鉄平といいます。」
「あ、南野朱莉といいます。」
「よろしくです!」
「よ、よろしくお願いします。」
ショートカットで浮ついてなく真面目そうな美人だった。ファッションも落ち着いており、緑のロングスカートがよく似合っていた。
「せっかくだからご一緒していいですか?」
神谷が頭をかいて言うと、
「ああ。いいよな?」
と、川俣は朱莉にきく。
「うん。」
朱莉は頷いた。
「すみませんねー、せっかくの2人の時間、お邪魔しちゃってー。」
「たまにはいいよな?」
「うん。」
「2人の時間はこの後たっぷりあるし、な?」
いやらしくニヤッと笑う川俣に朱莉は
「ヤダっ、もぅ…」
と恥ずかしそうに答えた。
「あー、もう焼けますわー。(今からセックスか?ヘヘヘ)」
そう思いながら朱莉を見る。
(こーゆー真面目系もいいかな。)
鉄平は思わず朱莉の裸を想像してしまった。