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GLADATOR
【歴史 その他小説】

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GLADATOR-2

           『ガシャーーンッ!』
いきなり門が開いた、その瞬間俺達は一気にアリーナになだれ込んだ、早速俺の前にいた二人が犠牲になる。
「ぐわっ!!」
「ぎゃああっ!」
敵はこちらより若干数は少ないが装備もしっかりしているし戦いにもそれなりに手慣れている。
こっちは劣勢だ、俺達は装備が不十分な上に普段からろくな飯を食っていない、こちらの人数はあっという間に3分の2に減った。
「無理して一人で戦おうと思うな!人数じゃこっちのほうがまだ上だ!二人で一人を狙え!」
味方の一人、黒髪のイスパニア人が叫ぶ。
「まずセクトル(追撃剣闘士)から先に倒せ!」イスパニア人が叫ぶ、俺は言われた通りセクトルに向かって身構えた、が、奴はこっちに気付いていない!視野の狭い兜を被っているせいだ!しめたと思い剣を腰に落とし一気に加速する。
『ズブッ!!』
鈍い音と共に俺の剣は奴の脇腹に突き刺さった、奴の兜の穴からも血が流れているのがわかる。
さらに心臓に突き刺し止めをさしたところで素早く体勢を立て直す、その時、
『ワァーーーーッ!!』敵が倒れた瞬間観客が俺に向かって歓声をあげた、その迫力に一瞬目が止まったがすぐに我にかえる。
「フンオオオオ!!」
牛の頭の毛皮を被った剣闘士が襲いかかってきた、俺はすかさず後ろに跳び敵の一撃をかわす。そして反撃に転じたが盾で防がれてしまった。
なかなか鍛練している、攻撃と防御の両方を併せ持った剣と盾のうまい連携攻撃だ、このままでは俺のほうが一方的に殺られてしまう。
俺には防具が一切無い上攻撃も防御も手持ちの剣一本でしなければならない。
辺りを見る、近くに死体が倒れていた。手には槍を持っている。
奴への対抗手段はあれしかない、思い切って今持っている剣を敵に投げ付けた、あいにく盾で防がれてしまったが盾に剣が突き刺さりひるませるには十分だった。
急いで槍を拾い、構える、敵は盾を捨てると剣を振りかざし突進してきた、俺も槍を構え突撃する。
「ウオオオオオオーッ!」
リーチの差で俺の攻撃が先に当たった、穂先は敵の腹を貫通してるがまだ息はある。そのまま押し倒し拾った剣で胸を突き止めをさした。
戦いは終わった、あっという間だった。生き残った俺達の辺り一面は血の海と死体の山となった。「剣闘士退場!」
掛け声と共に門が開いた、俺を含めた数人はアリーナを後にした。

闘技が終わって一息ついたところにケリウスが男を一人連れてやってきた。
「この方はダキシウス殿、ついさっきお前を買い取ったお人だ」
ケリウスによるとダキシウスもケリウスと同じ興行師なのだそうだ。
「馬車に乗れ、俺の剣闘士養成所に連れて行く」言われた通り馬車に乗り込む。
「そうだ、お前名前は?」
「……アエリウス…」




半年後…、
―ローマ帝国領土 南仏 アルル―

「よし終わった!次の奴出ろ!」
門の前の男が叫ぶ。
「終わったか」
「ああ、お前の出番だ、アエリウス」
ダキシウスはそう言うと、磨きあげたピカピカの兜を差し出した。
「今日は表舞台でのお前のお披露目だ、やりすぎるくらいがちょうどいい、こいつを使え」
兜を被り剣を取る、迷いはない。
「マルスよ我に御加護を…」
俺は入場門のほうに歩いていった…。

つづく


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