バスルーム ノラ-1
バスルームの厚いシートに、レイを寝かせた。
呪いはレイの体全体をむしばんで、大きく動かせる筋肉はほとんどなくなっていた。
服を脱がせながら。細い体にしてはいい形の乳房にキスをして、その体をもみほぐしていく。
これは単なるマッサージということではない、
後ろ向きにおなかをまたいで、わざと乳房の上におしりを乗せる。レイの足を持ち上げて、ショーツを脱がせると、股の割れ目を開かせて、指をはわせ、舌をはわせていった。
≪舐めろよ、メス蛇≫乳房の間にあった股間のものを動かしてレイの顔に当てる。
「ウゥッ、くそっ」腰を跳ね上げた。レイが、ピラニアのようにかみついたのだ。
「気を抜いたわね」と笑ってから、「大丈夫、怪我した?」心配そうに言う。
「大けがです。もうあなたを抱くことができません」クックッと笑い、レイから離れる。
「私の前に餌を持ってきたのが悪いのよ。なおしてあげるわ。 はい」誘うように口を開けて、なまめかしく舌を出した。
「重症です。一か月の静養が必要です」
「おまえはいつも私の言うことを叶えてくれたわ。命令する。すぐになおりなさい」
「それでも今日は無理ですよ」
「私にあやまらせたいの。ちょうだいよ」口を開ける。
俺が顔をまたいで持っていくと。レイはそっとくわえた。
介抱されながら腰から足へと。マッサージをつづけていった。
「もっと上よ」開いた股をかすかに揺らす。
自分の体を動かせないのにじれているのだ。
「マイにしたように、してよ」レイは俺が眠ったマイを襲ったと思っている。
「あなたから触って欲しいんです」
「動けない子の方がいいんでしょ」
「さあ、動いてみて、寝ているマイだって俺のを握りますよ」
「そんなのむりよ」そう言いながらも、手を持ち上げようと何度かがんばっている。
俺のものに手をかけることができた。「入れて」握り締める握力がほとんどない。
「出来たじゃないですか。少しでも動いて麻痺を遅らせましょう」 ご褒美に濡れて充血する穴に挿入してやった。
「努力しても、こんな体、だれもいらないのよ。おまえだって、口直しにマイと抱き合うんでしょ」レイが軽くあえぐ。
「マイとしたことはないですよ」
「うそつき、最初の日、良くも悪くもごまかさないと取り決めたでしょ。本当のことを言わないやつはいらない、家から出て行って」
「分かりました。しましたよ」
「あの子なんか、ほんとうはよくなかったでしょ?」
「よく腰はふるし、締め付けてくるし、かわいい声もすごくよかったですよ。さあ、あなたも負けたくないでしょう」
「いじわる。私はひとり消えていくのね」
「それでは、俺はあなたといっしょに死ねばいいんですね」
「おまえ、マイを見かぎれるの? ばかなこと言ってないで、気持ちよくして」レイは俺がマイと寝ると言って怒るくせに、逆にマイしか認めない。
レイは安心したのか、息が荒くなっていった。
リズミカルに声が漏れ、間もなく昇りつめてしまった。
「かわいい子だ。もうイッちゃいましたか」
「何よ。もうおしまい? これくらい全然満足してないわ」強がっている。
「俺の魔力を知りませんね。明日までだってできるんですよ」
「嘘つき」
「じゃあ何を賭けますか」
「おまえの好きなもの何でもいいわよ」
「契約です。俺が勝ったら、あなたをもらいますよ。負けたら好きなものをあげます」
「それじゃあ不公平だわ。おまえはもう私のものなんだから」
それから二回戦が始まった。
「俺だけで満足できますか。あなたは魔女、どこへでも飛んでいけるのに」レイに入れ、乳房にキスしながらささやいた。
「精神を飛ばして、人のを覗けというの。おまえらしい」
「あなたなら相手の肉体にも干渉できるはずです。意識体でも会話ができるでしょ、それは鼓膜を震わせるという物理的な力です。つまり、惑わせ、触れられるという事なんです」
レイの久しぶりの笑顔だった。
レイが俺の体の下から飛んだ。イメージは夜の街へ向かう。
シャワーを浴びる男をみつけた。母親の男だ。
その足元にしゃがみこみ、男の玉と垂れる棒を見上げる。この人にレイの姿は見えない。
「これが母さんの中に入るのよ。本当いやだわ」
そう言いながらも、そっとくわえた。「この人、母さんを裏切るかしら」
頭を洗っていた男性は、そそり立ってくる自分のものを見下ろした。
なぜ立つのかわからない。舐めているレイが見えないのだ。
やがて口の中に白濁したものを飛ばした。もちろんそれはレイを通り抜ける。
「スクブスのようだわ」クスクスと嬉しそうに、別の場所へ飛んだ。
今度は眠っている兄の上におおいかぶさっていく。
股を開いておしつけ、腰を上下させた。
「すごくいいわ」笑い、次へ飛んだ。
俺はゆっくり後を追う。堕ちた人間のすることなんて、同じようなことばかりだ。
そしてこれは、まさしく魔女の倫理に引っ掛かる行為だ。
レイも闇に堕ちた。これで依頼は完了する。≪人間なんぞ、ちょろいもんだ≫
ふと、不安にバスルームの体へもどった。
先に戻ったレイが待ち構えていて、俺を呪文で動けなくした。
「おかげで、これぐらいなら動かせるようになったわ」レイの手が動いた。人差し指をピストルのように突き出してくる。
「賭けは私の勝ちよ。おまえは明日までできないわ。今ここで命果てるの」
「おまえはもう堕ちた」
「魔の言葉に意味はない、それに相手はみんな身内を選んだのよ」
「どうして我のことがわかった」ノラを模しているのをやめ、魔にもどった。
「人は誓いや契約だけで生きてはいない、口にはしない私たちの絆よ」
そんな馬鹿な。
「ノラはやさしいの。毎晩マイを抱いていたとしても、絶対に認めないでいてくれるわ」
レイが唱えた。
「滅」