第十章 バスローブをとると-1
第十章 バスローブをとると
カーテンを閉め切ったリビングの薄暗い空間に、テレビの液晶画面が青白い光を男達の顔に浴びせていた。
ゴルフ中継を所在なく眺める僕達は、女達が現れるのを待ちわびている。
女の身支度は長いと覚悟はしていたが、期待と興奮が大きいだけに、ひどく長く感じていた。
仕方なく見始めたゴルフ中継も、数ホールのプレイが終わっている。
僕はソファーに身体を預けるように上を見上げた。
吹き抜けのリビングスペースを囲むように、寝室が2階にこの字で並んでいる。
今日から宿泊する僕達の寝室は左側の角にある。
荷物を置いた時、その広さと豪華さに映見もタメ息を漏らしていた。
同時にこれから始まることに興奮しているのか、瞳が潤んでいるように見えた。
僕も同じく興奮していた。
だって、考えてもみてよ。
8人、4組の夫婦がこれからスワッピングをするんだ。
いくら前回、4Pを経験したといっても僕と映見は藤本さん夫婦以外とは初めてだし、まして4組同時にプレイするなんて、想像もできない。
いったい、どんな淫靡なシーンが繰り広げられるのだろうか。
それは他の三人の男達も同じなのだろう。
ゴルフ中継なんて本当は見ていないに違いなく、目が泳いでいる。
「あー、遅いなぁ・・・
いつまで化粧してるんだか?」
秋生がみんなの心を代弁するかのように、声を出した。
「もう、消しましょう・・・
どうせ、頭に入ってこない・・・」
新藤さんが僕の予想通りに呟きながらリモコンを操作すると、リビングの中は暗くなった。