僕のモヤモヤ-1
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ベッドの上で、V江はQ哉を抱き寄せた。
全裸の二人は、軽く頬をくっつけた。
V江が少し大柄なせいもあるが、V江と身体を重ねたQ哉は、V江にすっかり包まれている。
Q哉は下半身をモゾモゾさせて、すでに硬くなったチンポをV江のヘソの下にもぐりこませようとする。
だが、股間にひそむV江の洞をQ哉のチンポはなかなかつきとめられない。
少し見当ちがいの場所をつついてばかりだ。
普通なら、そんなもどかしさに女は苛立つかも知れない。
しかし、Q哉が乳児のころからその世話をし、成長を見守り、さまざまな教育をほどこしてきたV江にとって、たったひとつ学習の成果がみえないセックスは、むしろQ哉へのいとしさをつのらせるひとときであった。
ようやくQ哉は、V江の洞にチンポを収めることができた。
Q哉の腰から下が、V江の洞内の温もりを受けてしびれる。
Q哉はV江にしがみついている。
V江の内側から伝わる鼓動がチンポを刺激して、Q哉
は腰を使うことさえ頭に浮かばない。
V江はQ哉が放った熱い流れを太ももに受けとめた。
Q哉はV江の腕に抱かれながら、V江に言った。
「僕、ママに嫌がられてるんだ……」
「えー?そんなことないやろ。いっつもベタベタくっついとるやん。」
「でも……わかったんだ。昨日Vちゃん、僕の背中にバンソウコウ貼ってくれたでしょ。」
「うん……キミの背中、何かデキモンがつぶれかけとって……痛かったやろ?」
「あれ、はじめママに頼んだんだ。だけどママ『V江がもうすぐ帰ってくるから、貼ってもらいなさい。』なんて言ったんだ。……ママずっと、僕がお風呂から出てきたり着替えたりしてると、変に遠ざかってたから、気になってんだ。」
「年ごろのキミのハダカを、じろじろ見たらキミに悪いと思っとるん違うのん?」
「でも……、背中にバンソウコウも貼ってくれないなんて、やっぱりイヤがられてるとしか……」
「やれやれ……」V江はQ哉の唇を手の甲で軽くふさいだ。「キミは、アタシとセックスしとるあいだママのこと考えとったんやな。」
(あっ……)Q哉はV江の目を見つめた。(僕、Vちゃんの気持ち考えてなかった……)
V江は笑顔でQ哉の頬に唇を寄せた。
「わかっとるで。いっつもキミは、アタシにホンマのキモチを教えてくれとるんやから……」
V江はベッドのすそに置かれていた軽いタオルケットを手にすると、ふわりとかぶった。V江とQ哉は、タオルケットに包まれた小さな空間で、より一段と二人きりになった。
タオルケットを透かして届くぼんやりした光の中で、二人は密談をはじめた。
タオルケットからはみ出した二人の下半身が、ねっとりからみあっていた。