IN LOVE AGAIN-2
けだるい時間を、ベットで過ごす。
雅文は、いつの間にか煙草を吸うようになっていた。ぼんやりと紫煙のただよう様を見る。
その時、雅文のケータイが着信を告げた。
身を起こし、電話をとる。「もしもしぃ?…おぅ。……分かった。今から行くよ……」
簡潔な電話を終えると、あたしのことなど気にせずに身支度を整え出した。
「帰るの?」
「うん。彼女と待ち合わせだよ」
耳の中を、言葉がスルッと抜けずに溜まる。
カノジョトマチアワセ……
「……彼女、いるんだ」
「まーな」
じゃあ、あたしとのこの時間の意味は……
「金、置いとくよ。俺、先に行くわ」
「うん…じゃあね」
雅文が、部屋を出ていく。広い部屋に、あたしだけ残された。
「シャワー……浴びよ」
ぬるめのシャワーを、頭から浴びているうちに涙が出てきた。
どこかで期待していたの?誘われた時、戻れるかもと思ったの?
バカだ………
あの頃のようになりたくなかった。
好きで好きで、傷ついた時間。
彼にとっては、ただの遊び。一時の火遊び……
あの頃のあたしじゃないと、心を決めたのに−
するんじゃ、なかった。
ついてくるんじゃ、なかった。
あたしはバスタブにしゃがみこみ、そのまま声をあげて泣いた。
また、もう一度誰かと恋が出来ますように。
今度は、失敗しませんように……
泣きながら、あたしは祈った。
きっと、また誰かと笑いあえる……
そう、信じながら。