第六章 ロスト・アナル・ヴァージン-7
横を見ると、裕君も口を開けて映像に見入っている。
最初は私と同じように笑い転げていたのに。
『でも、だめよぉ・・・
さっきの私の痛みに比べたら、
まだまだなんだからぁ』
一瞬、睨みつけた画面に裕君がビクッと反応した。
もしかしたら、自分の記憶を思い出したのかもしれない。
意外と可愛い仕草に胸がキュンとなった。
私も夫を犯したくなってきた。
そっと、身体を寄せると裕君の肩を引き寄せた。
「えっ・・・?」
裕君が驚いて私を見る。
「んふふふ・・・」
かおりさんを真似て、妖しい表情を作ってみた。
「ゆう・・くん・・・?」
その愛おしい顔を両手で引き寄せる。
「え・・み・・・?」
裕君は戸惑いながらも、まぶたを少しづつ閉じていく。
「んん・・んふぅ・・・」
重なった唇は私の方からだった。
「裕君・・・あふぅ・・裕君・・・」
今日は何百回、キスしただろう。
「好き・・・んふぅ・・好きぃ・・・」
一方的に囁きながら、夫の唇を貪っていく。
そう、私は欲している。
夫を、裕君が欲しい。
妻達に犯される男達の痴態は、私を新たな興奮に導いていた。
いつも犯される側の女達が、逆の立場に変わっている。
全く違う種類のセックスの歓びを、私は知ったのだ。
もう、以前の頑なだった理念など微塵も残っていない。
「欲しい・・・裕君・・欲しいよぉ・・・」
恥ずかしげもなく、想いをぶつけていく。
「え、映見・・映見ぃ・・・」
私の迫力に圧倒されながらも、夫も激しく舌を絡ませてくれる。
いつのまにか映像は終了したのか、黒い画面になっていた。
私と裕君が気づくのは、暫らく後のことだった。
リビングに二人の息遣いが再び響きだしていた。