第六章 ロスト・アナル・ヴァージン-3
『やれやれ・・・』
藤本さんが、あきらめがついたのか低い声を漏らすと両側の男達に目を合わせ、合図のようにうなずいた。
そして、男達の大きな声が響いたのであった。
【俺たち、アナルバージン・・・
捧げちゃいましたぁ!】
三人の声はピッタリ、合わさっていた。
『ヤッー・・・』
秋生が最後はダチョウ俱楽部のギャグで締めた。
『裕ちゃんっ・・お前もよくやった・・・。
かおりさん、
女達全員にカマ掘られるなんてよお・・・。
だから、俺たちも同じさ・・・
アナルバージン捨てて、上書きだぁ・・
イテテテ・・・』
衝撃的な告白の内容を復習するかのように、秋生が言葉をつなげた。
「・・・・」
唖然として画面を見つめている映見は、不思議そうに考えている。
「プッ・・ククッ・・・」
やっと意味を理解したのか、噴き出した。
「フフッ・・フフフフ・・・」
肩を震わせながら、画面から聞こえる男達の声を聴いている。
『でも、凄っげぇ・・痛かったよお・・・
そらちゃん、ひでぇよ・・・』
『何、言ってんのよぉ・・・
最後の方は感じまくって、
ひぃひぃ喘いでいたくせにぃ』
衝撃的な言葉にも、一度火がついた笑いは収まらない。
僕と映見は腹を抱えて笑っていた。
『あなたも、凄い感じ方だったわよねぇ?』
見上げて言う、かおりさんは本当に楽しそうだ。
『ま、まぁ・・・裕太さん・・・
と、とにかく・・・映像を見てくださいっ』
絞り出すように声を出すと、顔をしかめて走り出した。
『ち、ちょっと・・・もう、我慢できないっ』
画面から消え、声だけが響いている。
『ああっ・・お、俺もぉ・・・』
秋生が後に続く。
『ゆ、裕太さん・・と、とにかく・・・
私たちも一緒・・ですから・・・』
新藤さんの顔から、脂汗が出ている。
二人に誘発されたのだろうか。
その気持ちは体験者である僕にとって、凄くわかることだった。
あの後、僕も何度かトイレに駆け込んだから。