母ちゃんの部屋で-1
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俺が妹とテレビの前にいたら、
「そろそろ私も、お葬式のこと考えとかなくっちゃね……。」
と、家族葬のコマーシャルが流れてきた。
妹、ルニはスマホの画面を見ながら、
「なんやのん、もう身内にアブナイひとでもおるんか?」
と言った。
俺は、十年近く前になったあの夜のことを思い出していた。
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あの夜、病院から帰ってきた母ちゃんは、自分の部屋で眠っていた。
自分のふとんに入って、かけぶとんをかけて眠っている、いつもの光景だった。
でも、時刻は午前3時。
母ちゃんは前の日の夕方に急に「おトイレに行きたいのに歩けない……」と言い出して這いつくばった。
驚いてルニとふたりで抱きおこして、トイレに連れていこうとしたら意識を失ってしまった。
それから、救急車を呼んで病院に運ばれて……母ちゃんは帰ってきた。
「ここで、式をやるんやて……」俺は母ちゃんに言った。
ルニが病院の電話帳で「お、これ母ちゃんが知っとるお寺の関連企業(?)や。」と葬儀屋さんを見つけだし、そこに連絡をとった。
そして自宅で、俺とルニだけで式を行うという手筈をととのえた。
「ルニ、何考えとるんやろな……」と母ちゃんに話しかけながら、俺の手は母ちゃんの胸にのびていた。
母ちゃんの乳房のふくらみを撫でた。肌はドライアイスで冷やされているけど、カタチはあのままだ。
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俺とルニとは、15歳年が離れてる。
ルニがs学四年生のときだった。
仕事が休みだったある日俺は、ルニが学校に行ってるスキに、エロ本を眺めながらオナニーをしていると、
「アンタ……ナニしとるんや。」母ちゃんが現れた。
俺はあまりに驚いて、握ったチンポを放すことも忘れていた。
母ちゃんは俺の見ていたエロ本を取ってページを繰った。
「何やのん、これ。みんな裸の女が縛られた写真やんか。」母ちゃんは俺の前にエロ本を置くと、俺の頭を軽くたたいて言った。
「アンタ…… ルニに変なことしてへんやろな。」
「……してへんよ。ルニに変なことしたないから、こないして発散しとるんやんか。」
「もう、」母ちゃんは鼻で笑った。「何言うとるんや。アンタは兄として、ルニの純潔を守ったらなアカンねんで。」
母ちゃんは「ルニに……手を出したなったら、私を犯してええからな。」と言うと、服と下着を脱いでしまった。
「お母ちゃん……」俺は母ちゃんの前に座りこんだ。
「その本の写真みたいに……キレイな身体やないけど、オンナやから……」と、母ちゃんの言葉が終わる前に、俺は母ちゃんを抱いて、床に寝かせていた。