魔物戦記(真実のかたき)〜紡いではいけない命〜-4
街を牛耳る魔物は街はずれの廃墟にいた
「あぁん?生け贄はまだのはずだが?」
「ええ、まだよ・・・いえもう終わりと言ったほうがいいのかしら」
その時、ノウェは廃墟の吹き抜けになった三階にいて二人の様子を見ていた
「あいつ・・・まさか!」
ノウェは男の顔に見覚えがあった
男はノウェに気付いていたようだ
「なるほど、俺を殺しにきたわけか・・・」
男は天を仰ぐ
「久しく見ねぇ顔だなぁ!400年ぶりか?」
ノウェは飛び降りて亜美と男の間に着地した
「398年と14日ぶりだよ!バカ野郎」
「そんなに細かく数えててくれたのか、うれしいねぇ」
「ラギ・・・テメェだけは俺が殺す!」
亜美には状況がまったく読めていない
「だれ?知り合い?」
「こいつが俺たちにコカインを飲ませるにはどうすりゃいいか科学者に吹き込んだんだ!」
「え?」
「わかんねぇかなぁ譲ちゃん、つまりは俺があの科学者にアドバイスしなきゃ魔物と人間の戦いが始まる事もなく、こいつの親友のルイス君が死ぬこともなかったんだよ」
「・・・すんじゃねぇよ」
「あぁ?なんか言ったか?よ」
「あいつの名前を・・・テメェが口にすんじゃねぇって言ってんだよ!」
ノウェはラギに飛び掛かり日本刀を振り下ろす
しかし、そこにラギの姿はなかった
「そう焦るなよ・・・楽しくやろうぜ」
二階に居たラギは人間の姿ではなくなっていた