魔物戦記(真実のかたき)〜紡いではいけない命〜-3
一方、亜美の方は換金屋でねだっていた
「お願い!もうちょっと上げてよ」
「どれくらいだい?」
「あと10000Б(バース)くらいかなぁ」
「退治屋は大変なのによく頑張ってるねぇ、よし!若さに免じて上げてやるよ!」
「ありがとう!」
「頑張んなよ」
「うん」
そんなやりとりをして、店を後にしたのだが
「今日も成功ね」
完全に確信犯である
実は換金屋のおじさんが言うように、亜美は最年少の退治屋であるため、買う時にはまけてもらい、換金する時には上げてもらうのがほとんどであるのだ
「そだ、武器屋によって行こう」
「いらっしゃい」
「どうも」
「こらまた大層なもんだねぇ死んだって良いことはないよ」
「いや、私はただ武器を買いにきただけで死ぬ気なんてないけど」
「なんだい、生け贄前に死ぬって考えじゃぁないのかい?」
「生け贄?」
「しまったねぇ、よその人か」
「どうゆうこと?」
「喋ったのはワシの方だからな、しかたない」
どうやらこの街では、若い女の子を魔物への生け贄として月に何人か差し出しているらしい
帰ってそのことをノウェに話した
「こんなにデカイ街なのに田舎臭いことやってんだなぁ」
「感心してる場合?退治しに行くわよ!」
「今まで退治されてないって事はそれなりに理由があるんだろ?」
「今まで退治しに行った退治屋は数知れず、一人も帰って来てないとか」
「それを退治しに行くのか?」
「ほっとけないでしょ!」
「・・・(やっぱ、亜美はやさしいよ)・・・」
「それに・・・」
「それに?」
「謝礼金もらって、ここのホテル代も浮くってもんよ!」
亜美をやさしいと思った事に後悔したノウェだった