魔物戦記(真実のかたき)〜紡いではいけない命〜-2
「なんだよ」
「運が悪かったわねぇ」
「何がだよ気持ちワリィなぁ」
気持ちワリィが頭にきたがそこは懸命に我慢した
「最上階ですって、運が悪い悪い」
「ウソつけ!部屋はご自由にお決めくださいって書いてあんじゃねぇか!」
「あのぉお客様、よろしければ二階のお部屋をご用意致しますがどうでしょうか?」
「あ、よろしくおねが」
「いえいえ、お手数おかけするのは申し訳ないので結構です」
「・・・・・・」
「行くわよノウェ」
「クソ野郎・・・」
ドアを開けるとそこはかなり広い部屋だった
「さっすが高級ホテル!やっぱ広いわぁ」
「もうダメだ、つかれたし腰痛いし」
ノウェはそのままベットに横たわる
「私、換金屋に行ってくるから」
「喉渇いたから飲み物買ってきてくれないか?」
「血なんか売ってないわよ!」
「飲み物買ってきてくれって言ってんの!血じゃなくていいから」
「そう言えば、あんまり血を飲んでるとこ見たことないなぁ」
「俺らにとって血は人間にとっての高級ワインと一緒なの!飲まなくても死なないし、血だって作れてる」
「へぇあんたと居ると勉強になるなぁ」
「別に生きてるうちで必要ないだろ?」
「まぁね、じゃぁ行ってくるね」
「あぁ気を付けろよ」
留守中に何をしてやろうかと立ち上がったのはいいが、疲れすぎて動く気になれずに再びベットへダイブした。
「今日の夜辺りが話頃かな・・・」
ノウェは亜美に話してない事がある
話しにくいが、話さなきゃならないことがある
「約束してくれないだろうなぁ・・・亜美はやさしいから」
自分以外に誰も居ない部屋では、外の音が僅かに聞こえるだけだった