ママとぼくのナイショ-2
(ママ……)え武は声にならない呼びかけをした。
ま里はそれを察したようにこたえた。
「キミ、言うたやろ?アタシがベランダで煙草吸うとる姿見てたって。」
(あ……)え武はその言葉を思い出した。
ま里はえ武の顔を撫でながら言った。
「アタシ、服と髪に煙草のニオイがついたら困るから、パンツ一枚で寝ころんで煙草吸うとったやろ。キミは正直やな……そんなアタシの姿のぞいとったのに、隠さんと言うてしもて。」
「ご……ごめんなさい……」そういうえ武にま里は、
「ごめん、と違うのよ。」と言うと、え武の顔にけむりを軽く吹きかけた。
(あ……)え武はうっとりとそのけむりのニオイを感じた。
「ふふっ……」ま里は笑みを浮かべた。「懐かしいニオイやろ?」
(懐かしい……ニオイ?)え武がぼんやりしていると、ま里は言った。「アタシに煙草の味を教えたのは、キミやで。」
(え……どういうこと……?)え武のその無言の問いかけを察したように、ま里は言った。
「もともとアタシ、煙草吸えるけど好きやなかったんや。そやけどキミを妊娠したとき、急に煙草に惹かれるようになったんや。
でも、妊娠しとるのに煙草なんかアカンやん。アタシ、メッチャ悩んで追いつめられてとうとうツレに話したんや。
そしたら、『煙草やったら、お薬としてちょっと吸うくらいかまへんやん。ウチ、孕んだときもプチスモーカーやったけど、問題なかったよ。』って言うて、その場で一本吸わせてくれたの……。」
「ママ、それ吸って……」え武は聞いた。「気分、良くなったの?」
「うん……」ま里は煙草をくわえたまま笑って答えた。「ホント、悩みが消え去った…… それからも時々煙草吸って気持ちよくなっとったけど、やっぱりお腹の中のキミに悪いなぁーって思っとったんやわ。そやから……キミが元気で産まれてきてくれて良かったー。
キミが産まれてからも煙草を時々吸ってしまうから、吸ったあとに自己嫌悪になってしもとったけど、キミは……、キミは……。」
ま里はえ武を抱きしめた。「キミは……そんなアタシに煙草を吸って、って差しだして来たんや。アタシ、メッチャ嬉しかったで。」
そう言ったま里は、手をえ武の身体に伸ばした。
え武は下半身の中心部に、これまで他人に触れられたことのないくすぐったい刺激が現れた。
「ママ……」え武は身体をよじらせて、逃れようとした。しかし、ま里はそれに抗うようにしっかりと、え武のチンポを握りしめていた。
「ごっつう硬いね。」ま里が喜んで言った。
「なぁ、キミがベランダでアタシが煙草吸ってるの見とる時も、チンポ硬くなっとったん?」
え武は黙っていた。それはチンポを握るま里の指先の優しさと、いまま里が言ったことが「その通り」だったからだ。