第四章 ペニス・バンド-3
「そ、そうかな・・・?」
裕君も私の気持ちに気づいているのか、少し頬を染めている。
今日の激しいセックスで、私が完全に変わったのを知ったから。
以前の頑なな倫理観は消え、素直な性への欲望を抱けるようになった私を。
「確かに・・藤本さん達と比べたら・・・」
思い出すように言った表情に私はクスっと笑った。
さっき見たシーンを思い出したからだ。
それは、淫靡というよりは、少し滑稽さも混じっていたから。
「でも、ごめんよ・・・」
裕君も唇を歪め、おどけるように言った。
「何が・・・?」
私も期待を込めて聞く。
「映見に・・・
バージンを・・あげられなくて・・・」
「プッ・・ククッ・・・」
言葉と同時に、私は噴き出した。
裕君も同じだ。
「アッハッハッハ・・・」
「フフッ・・ハハハハハッ・・・」
完全にツボに入った二人は、しばらく笑い続けるしかなかった。
「いやだ・・思い出しちゃった・・・」
目尻から滲む涙を拭いながら、やっとのことで声を絞り出した。
「ひぃー・・・あー・・おかしい・・・」
裕君が私の肩を引き寄せると、腕の温もりを嬉しく感じながら私はクスクスと笑い続けた。
こんなに笑ったのは何年ぶりだろうか。
裕君と二人、抱き合いながら幸せな時間を噛みしめるのだった。