しにがみハート#3-2
「孝紀さーん?」
声まで同じ!?最近は夢の中にまでデジタル化進んでんの?
「孝紀さん起きてー」
恐る恐る目を開け、全ての精神を目の前のヤツに向ける。
「……あやめぇぇぇぇ!!」
「今日から私も中3です♪」
「ちょっとこっち来ーい!!」
絢芽の手を取り、教室から飛び出る。
「なんでお前がここにいる!?」
「なんでって…私はいつでも孝紀さんのお側に♪」
「何が起きても知らんぞ?」
「何言ってんですか〜、私死神ですよ。いざとなったら殺します♪」
「いや!!殺しちゃダメ!!絶対にダメ!!」
「ちぇ〜」
「残念がるな!!」
こうして悪夢(?)な俺の二学期は始まったのだった。
時は変わり放課後〜
「あれ?絢芽ちゃんいなくね?」
理人が呟く。理人と絢芽は、両方とも超が付くほど人懐こいからな…仲良くなるのも早い。
「あれ?『孝紀さん絶対に一緒に帰りましょ〜』って言ってたのにな…」
「これは探しに行くしかないんじゃないかな?」
「心配だし行くか!」
そして俺は理人と一緒に絢芽捜索に出た。
「いないねぇ…」
「ったく、何処に行ったんだ?」
階段の下や、実習室も捜したけど居なかった。
二人で悩んでいると、クラスの女子が駆けよって来た。
「ねぇ綾瀬くん…、さっき新堂さんが男子数人と歩いてたんだけど…。」
…まさか…
いやな予感が全身を駆け巡った。
「どこに!?どこに向かって歩いてた?」
「確か…仮校舎…。」
本校舎の北側に位置する仮校舎。今はもう使われていなくて、今はすっかり不良のたまり場。そんなとこに絢芽がいるなんて…危険過ぎる。
「理人。」
静かに言う。
「分かってる。いくぞ。」
仮校舎に着くと、数人の話し声が聞こえた。
「カワイイ子だね〜。ウチに転校してきて良かったね〜ひゃははは!!」
「孝紀さんはどこ…?」
「孝紀は監禁してあるよ!!」
は?監禁?俺はちゃんとここに…。
あいつら嘘ついてるのか!!弱みに付け込んで絢芽を…。
俺は思いっきりドアを開けた。