第一章 二人のプロローグ-1
「スワッピング入門」3(スリー)
第三部 スワッピング・パーティー
第一章 二人のプロローグ
【んふぅ・・んんん・・・あふぅ・・・】
曇った吐息がリビングに響いている。
裕君と私。
どちらのものかは分からない。
「おふぅ・・好きだ・・・」
「好き・・好きぃ・・・」
時折、言葉になる想いが違いをみせる。
【んむむぅ・・・んぐぅっ・・あはぁっ・・・】
だが、すぐに重なりケダモノのような荒い息遣いに変わる。
(ああ・・・わた・・し・・・)
これほど夫を、裕君を欲しいと思ったことは無かった。
(おいしい・・・ツバ・・
裕君のツバ・・おいしい・・・)
絡めとった唾液をゴクリと喉を鳴らし、飲み込んでいく。
「裕君・・・ゆう・・くん・・・」
美味しさの余韻にしびれながら、愛する名前を呼ぶ。
「映見・・・え・・みぃ・・・」
名前を呼び返してくれたお礼に、私からも唾液をプレゼントする。
「んみゅ・・んんっ・・・」
裕君の喉が上下する。
薄っすら開けた視界に、ウットリと目を閉じている裕君が見えた。
女の子のようにまつ毛が長い。