後輩への思い-10
「バック、僕が初めてなんですか……?」
「そ、うだけど……」
ちゅっ、と耳元にキスされた。
「僕、すごく嬉しくなっちゃってる。中村さんのこと、独り占めしたい」
「し、してるじゃない……」
「できてる?」
「だ、だって……あたし、他の人とするなんて考えられないし……」
「じゃあ見せないで。他の人に、こんな可愛いところ。僕だけにして」
理央の声が、耳元で震えている。
「からかってるの……?勘違いするから……あんまり意地悪、言わないで…」
「僕、冗談言わないです。冗談なんか言って、女の子に好かれても困る」
理央は一旦自らのぺニスを引き抜き、加奈子の左肩が布団に付くような体勢にさせる。
加奈子の右の腰骨辺りに手を這わせて、向けられた臀の間にぺニスを押し付けた。
「あ、んっ……」
「この体勢、嫌じゃない?」
ぬるん、と理央のぺニスが簡単に入っていく。
理央は加奈子の体に倒れ込むと、顔を向けさせてキスをする。
「さっきよりは…恥ずかしくない」
理央は微笑むと、腰に置いていた手で上半身のパジャマをめくり、手を加奈子の胸元までずらす。
「からかってないよ、中村さん。僕、独り占めしたいみたい。中村さんのこと」
「あ、んんっ、そんな、こと言われても……!」
体だけでなく、脳を揺さぶるような快感の中、甘い言葉を言われ、加奈子は理央に全てを侵食されているような気分になる。
今まで男性と真面目な付き合いしかして来ず、恋愛関係になる前に体を重ねることなど皆無だった。
佳織のことを好きだと言ったその口が、今では加奈子を独り占めしたいという。
その気持ちが、加奈子にはわからない。だが、そんなことを考える余裕がないほどに、快感が体を駆け巡っていく。
「じゃ……あ、あたしのこと……名前で、呼んで」
理央が、佳織に名前を呼び捨てさせるようにーー
「は、ぁっ……名前……加奈子……?」
荒い息継ぎを繰り返す中、理央に問われる。
「うん、加奈子って……呼んで。お…願い……」
理央に胸を揉みしだかれ、体内を突かれて、息も絶え絶えになりながら加奈子は答えた。
「加……奈子」
「ん、んんっ、あぁっ……」
理央の腰の動きが速くなる。
それに合わせて加奈子の声もだんだんと高くなっていく。
「だ、だめっ……そんなにしたらっ……」
「ぼ、く……いきそ……加奈子……イッてもいい……?」
「ん、いいよ……好きなとき……にっ……」
ーーどくんっ。
理央は加奈子の体内の最奥で、コンドーム越しに射精した。
理央が加奈子を独占したい、と思う気持ちと、自らの理央への気持ちが交わることがあるのだろうか。
脳が痺れる快感の中、思わず泣いてしまいそうになって、加奈子は目を閉じた。