22)鳥的接吻-4
「 じゃあ、さな。 今から特別に、ぼくが キス の事を、入り口から本当のキスまで教えてあげるよ。 これから取材を続ける上で、これも必要なことだからね 」
海女の取材とキスの間に、どんな関係があるのか、さなは全く理解できていないが、そのまま雄一が言葉を続ける。
「 ところで、さなは、キスの経験はあるのかな? 」
昨日から現在までの反応から、未経験な事は100%分かっているが、そこを敢えて聞いて新たな反応を楽しんでしまう。
そして予想通り、少女は慌てて首を横に数回振る。
「 そうか… じゃあ全くの初心者だから、ゆっくりと丁寧に教えてあげないとね… 」
雄一が、全裸で脚を肩幅よりも少し拡げて立っている11歳の少女に近づくと、その両肩に ぐっ と力が入った。心身が緊張している様だ。
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さなは、ゆうこが出掛けてまだ数分しか経っていないのに、もう頭の中がいっぱいになって溢れてしまいそうだった。
オナニーの事… そして、キスの事…
キスが何かは、もちろん知っていた。恋人や夫婦が唇と唇をくっつける事だ。
それぐらいはクラスの誰もが知っているし、そして、だれもがまだ、経験していない様だった。
もちろん、はっきりとは分からないけれど、それは、クラスで知識は豊富な子でも、経験はまだのはずだ。
そして、本当のキスは…
昨夜の、雄一とゆうこの舌が絡まっている場面が、はっきりと頭に浮かんできて、さなは真っ赤になっていた。
知っていたのとは全然違う。
ゆうこさんが舌を長く伸ばして、雄一せんせいの口に入れて、そのまませんせいの口の中で舌が何回もひねったり舐め合ったりしているみたいだった。唾の音もずっとしていた。
あれを、わたしができるの… ちゃんとうまくできるの…
さなは、これから『 ファーストキス 』をしようとしているという大切な事よりも、雄一せんせいに言われた事を、きちんと出来るのかという事の心配で、頭がいっぱいになっていた。
やはり、海女組合の代表という意識が刷り込まれているのだろうか…
それとも、雄一に見放されたくない気持ちなのだろうか…
さな本人にも、それはよく分かっていない。
その、心の揺れを見透かしたように、雄一が、
「 よし、 じゃあ、これから、さなの ファーストキス をしようか。 しっかりと教えてあげるけれど、ちゃんと付いて来るんだよ… いい? 」
と声を掛けた。
少女の中に、あらためて、でも急に、これから自分が『初めてのキス』をするんだ、という事が、言葉だけじゃなくて意味として実感として形になり、さなは心の中で慌てていた。
「 わたし… 雄一せんせいの事が、カッコいいって思ってる… 最初に見た時から… やさしそうで頭よさそうで… 顔もカッコいいし… 映像の取材するのもカッコいい… 海女の撮影で裸になって、それは、すごく恥ずかしかったけど… せんせいの前だから恥ずかしくても裸になれた… 」
少女の心の中で、昨日からの自分の気持ちが、少し美化されて、少し都合よく展開していく。
「 わたし… 先生の事… もしかして好きなのかな… ううん、そうじゃなくて、先生に気に入ってもらえるのかな… 」
混乱で目の前が見えていない11歳の少女の間近に、見た目は18歳の… 実際は23歳の男性が近づく。
そして、左手が そっ と、まだかすかにくびれ始めただけのウエストラインに回される。
さわっ…
びくっ!
「 ひ… くすぐったい… 」
昨日のくすぐったさとは、また異質の感触に一瞬、少女の身体が反応する。
それを気にせず、雄一の左手は向かって右側のラインまでしっかりと腰に回されて、少女の身体を自分の前でしっかりと固定する。
同時に、さなの身体が小さく震えている事が伝わってきた。これが緊張の震えだと、雄一は直ぐに気付く。
11歳の少女のファーストキスを奪う…
その事が、今、雄一のテンションを静かに上げていく。
今までに数多くのおばさんとのキスを経験してきたが、もちろん、ファーストキスの女は居なかった。自分が奪われただけだった。
でも、ついに、自分がファーストキスを奪う立場になるとは…
しかも、わずか11歳の美少女のを、である。
そして…
触れ合うだけのキスでは終わらせない事も予告済みだ。
11歳の全裸の美少女から、舌を絡ませながら ファーストキス を奪うのだ。