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よるの子どもハウス
【ロリ 官能小説】

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春の夜の回想-1


    ▽

 春の夜。
 ママと親類どもの集まりから帰る途中、私が運転する車は繁華街で渋滞に巻きこまれた。

 車は時々進む。どこかで対面通行になっているらしい

 「事故があったみたいやね。」後ろの席からママが言う。

 FM放送が9時の時報を告げた。周りをたくさんの人が行き来し、色とりどりのLEDの光を浴びている。
 「いつもの私たちなら、」私が言った。「もう二人とも、ベッドでゆっくりしとる時間やね。」
 「そうやね。」ママが言った。「私らの町やったら、もう真っ暗で人通りないのにね。ここの人らは、これからが夜の始まりなんやね。」
 「私、こんな時間から食事なんかでけへんわ……」と私が言ったとき、私は華やかに照明にいろどられたビルとビルの間の黒いすき間に目がとまった。
 何かがあるらしく、人がそこに向かっていく。だけどすき間に入ると同時に闇に吸いこまれてしまう。

 私は、五歳のころの自分を思い出した。五歳の私は、こんな夜の街へ連れて来られてた。
 まるでおとぎ話の国にやってきたような感じで、色とりどりの灯りを見ていると、急に暗いところに引きこまれてしまう。
 そこから薄暗い建物に入り、薄暗いエレベーターに乗せられる。まるでお化け屋敷のようで怖くて、私はずっと下を向いていた。

 「かま弥(み)チャーン!」「こんばんわー!」「今日も遊ぼうねーっ!」
 その声に顔を上げると、そこはかわいいおもちゃや絵本のいっぱいならんだ明るいお部屋。そして、優しい笑顔のお姉さんたち。

 私はそこでお姉さんたちと楽しい夜を過ごした。
 お姉さんたちに寝かされて、目をさますと私はママのいるお家に戻っていた。

 あとでわかったことだけど、シングルマザーであるママのお仕事がそのころ軌道に乗ってきて、私のことをよく見てられなくなった。
 でも、夜おそくまで小っちゃな子をみてくれるところなんて、まずない。
 ママが途方にくれてたら、勤め先のひとが教えてくれたのが「夜の子どもハウス」だったという。


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