第三十八章 犯される女達(かおり編)C-9
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6人の声が重なり、叫び合う瞬間で僕は停止ボタンをクリックした。
画面は6人全員が交わり合う隠微なシーンを映している。
「かおりさん・・・藤本さん・・・」
映見が一人ひとりの名を呟いている。
「新藤さん・・・さくらさん・・・」
僕の声が続く。
「アキ君・・・そらちゃん・・・」
最後の名前を言い終えた妻は、僕の顔を覗き込むようにして白い歯をこぼした。
こみ上げる愛情にギュッと細い肩を抱きしめた。
強い力に一瞬、眉を寄せたが、すぐに頬をゆるませ嬉しそうに画面の中で静止するみんなに向かって声を出した。
「ありがとうっ・・・みんなっ・・・」
その声はハツラツとして、僕の心も浮き立たせてくれた。
「わたし・・・わたし・・・
もう、大丈夫・・・完全に上書きされました」
そして振り向き、笑顔で僕に囁いた。
「ねっ・・裕君・・・?」
「映見・・・」
僕と映見はお互いを見つめながら微笑み、再び画面に向かって声を合わせた。
【ありがとう・・・】