第三十二章 ビデオメッセージ-5
「あ・・秋生さん・・・」
画面に戻した映見の瞳から、涙があふれ出した。
「先週、藤本さんにこっそり、
教えてもらってたんだよ」
照れ隠しに、金髪をガリガリ掻いている。
「実は昨日の4Pのことも知っていたんだ
役者だろ・・・おいら達?」
肩を抱かれた、そらちゃんが白い歯をこぼしている。
「だから、安心してよ・・・
絶対、手出しさせないからさ・・・」
「そら・・さん・・・
あきお・・さん・・・」
僕が肩に手を置くと、ぶつけるように映見は飛び込んできた。
「うう・・う・・・。
うえっ・・うええぇーん・・・」
子供のように泣きじゃくり始めた。
まるで、さっきの僕のビデオを再現しているようだ。
「だから・・・映見さん・・・
見てください・・あたし達の・・・」
画面の向こうのことは分からない、そらちゃんが続けていく。
そして、かおりさん、桜さんと目を合わせ、声を揃えて叫んだ。
【私達の4Pセックスを!】
リハーサルでもしてたのか、三人の声はピッタリ合わさっていた。
「ううぅー・・ううううっー・・・」
映見の鳴き声が続いている。
僕はその場面で、画像を停止した。
映見が泣きやむまで、そっと肩を抱いていてやるつもりだったから。
夕暮れの光はほとんどなくなり、窓の外には夜のとばりが訪れようとしている。
僕は、今夜はジックリと楽しもうと思った。
スワッピングの興奮を。