第三十二章 ビデオメッセージ-2
「映見さん、見てますぅ・・・?」
そらちゃんが、明るい声で手をふる。
「映見ちゃーん・・・」
後ろで、秋生も大声で呼んでいる。
「え・・え、映見さんっ・・・」
新藤さんが緊張しているのか、こわばった表情をしている。
「あなただけ、つらい思いはさせないわっ」
桜さんが、物静かな彼女の印象とは逆の力強い声で叫んだ。
「わ、私たちも・・私たちもぉ・・・」
感極まっているのか、泣き出しそうな瞳がウルウルと光っている。
しかし、それ以上に。
次に放たれた言葉は、僕達二人を驚愕させるには十分なインパクトがあった。
【私たちも・・4P体験してみましたぁ】
そらちゃんと桜さんが声を合わせて、叫んだ。
【ええっ−・・・?】
僕と映見も声を揃える。
「映見ちゃんの気持ちを、分かち合いたくてぇ」
「何言ってんだよ、本当はしたかったんだろう?」
そらちゃんが言い終わる前に、秋生がさえぎった。
「映見ちゃん達が帰ったあとで、
みんなでビデオ見てたら、興奮してさぁ」
頼みもしないのに、説明を始めている。
「もう、スッゲーのなんのって・・・」
「アキちゃん、うるさいっ・・・」
そらちゃんが主導権を取り戻す。