第三十一章 夕暮れの中で-2
「んふっ・・んんふぅ・・・
んぐぅっ・・・んん・・あふぅ・・・」
貪るように舌を絡めていく。
(でも・・でもぉ・・・)
私は心の中で叫んでいた。
(違った・・・裕君はっ・・裕君はぁ・・・)
ギュッと、背中を抱きしめる。
(大好きっ・・・裕君・・裕君・・・)
言葉にしないことが、愛の深さを教えてくれる。
私も裕君も心の中で互いを呼びながら、熱いキスを続けていく。
カーテンの隙間から、夕暮れを思わせるオレンジの光がうっすらとリビングに差し込んでいた。