第二十八章 慟哭-2
(か、かおりさん・・・)
私は説明を始めたことに驚いていた。
まさか、あのことを裕君に告げるのだろうか。
「レイプされたの・・・映見ちゃん・・・」
裕君の前髪をかきあげ、真剣な表情で続けていく。
「K市で・・・チンピラ二人に・・・」
「そ、そんな・・・」
絶句する裕君は何かを思い出そうとしている。
「だから・・・
私達に会いにくることを認めたんじゃない?」
「そ、そういえば・・・」
裕君は起き上がると、かおりさんの手を強く握った。
「ずっと・・・
そう、何日か、ずっと・・変だった」
まるで自分に言い聞かせるように、言葉を探している。
「暗く沈んで・・・そうか・・・
ああ・・・僕はバカだっ・・・」
泣きそうな表情に、私の胸が締め付けられる。
「悩んでいたわ・・・
映見ちゃん・・とっても・・・」
かおりさんは裕君の肩に顎を乗せ、耳元で囁くようにしている。
「だから・・旦那様・・・藤本が提案したの」
「上書きしようっ・・・て・・・・」