第二十章 愛の誓い-1
第二十章 愛の誓い
「映見・・・大丈夫かい・・・・?」
再生画面を停止し、僕は妻に聞いた。
まだ、始まったばかりかもしれないが、互いのプレイを映像でマジマジと見ることに、僕は戸惑っていた。
特に、自分の行動は全て記憶しているのだから。
このまま最後まで、妻である映見に見られることに自信など、ある筈がなかったのだ。
藤本さんはどういうつもりで、この映像を見せようと思ったのだろうか。
更なる愛情の増幅を願い等と言って、互いの・・・特に僕の痴態を見て、映見が果たして納得してくれるのだろうか。
むしろ逆のような気がする。
きっと軽蔑し、心が離れていく。
下手をすると離婚だ。
僕の胸は不安でいっぱいだった。
だから映見にこれ以上、映像を見ることをやめるよう、そう言うつもりだった。
「大丈夫よ、裕君・・・」
意に反して、映見は明るい表情で答えた。
「見てほしいの・・・
私の、本当の姿を・・・
裕君に・・・」
訴える眼差しは、今にも涙がこぼれそうだった。
「じゃないと・・・
わたし・・わたしぃ・・・」
「映見・・・」
涙がこぼれる前に、僕は長いまつ毛ごとキスをした。
かけがえのない天使の瞳に。
「分かったよ、映見・・・」
僕は微笑みながら、愛する妻に誓った。
「きっと、最後まで見るよ・・・
そして・・・
ずっと、君を愛している・・・」
抱きしめる天使の温もりを感じながら、僕は厳かに誓った。