悲劇は休暇なり-2
翌日
現在朝練の真っ最中
俺は皆より一時間ほど早く来てやっている
「はぁ〜…俺も楓に告らなきゃなぁ〜」
一人寂しく独り言
その時体育館のドアがひらく
「……航」
いたのは秋奈だった
「秋奈?なにしてんだこんな時間に」
秋奈はバスケ部のマネージャーだが朝練には来なくていいはずだ
「…ちょっと…話しがあるんだけど……」
不吉な予感
「……あぁ、わかった」
俺達は誰もいない体育館の裏に言った
「……話しって?」
「…………聞いたでしょ…私が哲也をふったわけ」
「…………」
「私……す……好きなの……航のことが」
「…………」
「本当は哲也に告白されたときOK出そうと思ったの……でも……航がずっと頭に浮かんできて……ダメなの」「…………」
「ねぇ、なんか言って!」
「…………修羅場」
「え?」
「修羅場だな」
「んん〜…もう!なんでこんなに冷静なのよ!」
秋奈は顔を真っ赤にしている
やべえ、ちょっと可愛い
「んん〜なんて言えば良いんだか…」
「男ならハッキリしなさいよコラァ!」
「あ、ごめんなさい」
「それ返事?」
「えっ…あ……うん」
「…やっぱりなぁ〜」
「え?」
「いやね、航は絶対断ると思ってね……哲也のためと……楓のため?♪」
「ブッ!!…はぁぁあ?」
「好きなんでしょ?楓のこと」
「知ってたのか…ならなんで?」
「告白したか?…諦められなかったからかな……でももうふっきれたから、じゃあ朝練頑張って」
そう言っ秋奈は走っていく
「………秋奈!!」
「?」
「俺がお前をふった理由はお前が哲也をふった理由と同じだぜ」
「…………」
「だからお前のことも好きだぜ」
「!!」
顔を真っ赤にしながらつったってる秋奈を残して俺は体育館に戻った
体育館にはすでに哲也が来ていた
「おぉ!航、どこ行ってたんだ?」
「………良かったな……哲也」
「え???」
その日哲也は秋奈と付き合うことになった