第十九章 キス(映見)-5
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隣りで画面を追う裕君が・・・夫が愛おしくなり、そっと肩を預けた。
それに気づいた裕君は、優しく抱き寄せてくれる。
温もりが心地良い。
不安と期待が交じり合う感情のまま、私の視線は画面に戻っていく。
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「お、奥さんっ・・・え、映見さんっ・・・。」
再び秋生さんから唇を奪い取った新藤さんが、同じように愛の言葉を投げてくれた。
今度も嬉しくて、新藤さんの首ごと強く引き寄せた。
「好きよっ・・・新藤さん・・剛さん・・・」
「おお・・・う、うれしいよ・・・
僕も好きだ・・・映見さん・・・」
男二人との代わる代わるのキスは永遠に続くかのように、愛のささやきを繰り返していく。
カメラ越しに見つめていた藤本さんも興奮したのか、私の方に近づいてきた。
視線の端に感じた私は両脇からの唇の愛撫を受けながら、切ない笑みを藤本さんに投げた。
白い歯をこぼす藤本さんの唇が、少しゆがんだ。
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ゆっくり近づいてくる男の顔を愛おしそうに待つ自分の姿が画面に映っていた。
その時、私達のプレイは始まったばかりだった。