第十九章 キス(映見)-4
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秋生さんと目が合った新藤さんが、不意に唇を放した。
一瞬の空虚感が私の舌をさ迷わせる。
しかし、すぐにヤニ臭い味に絡めとられていった。
「ふぐぅっ・・・おうぅ・・んぐぐぐぅ・・・」
最初のキスを取られた反動か、秋生さんは苦しくなるほど激しく迫ってくる。
それが何故か、いじらしく感じて私は秋生さんの身体を強く抱きしめてあげた。
「おおっ・・・映見・・映見さんっ・・・」
まるで幼子のように甘えた声で、私の名を呼んでいる。
御褒美として、ヤニ臭い息を舌と共に強く吸ってあげた。
「ああ・・・好きっ・・好きよっ・・・」
愛のささやきは極上の官能を与えるようだった。
秋生さんが更に激しく唇を押し付けてきた。
「あはぁ・・お、俺もぉ・・・
好きっ・・好きだぁ・・・」
「嬉しいぃ・・わ、わたしもぉ・・・」
まるで恋人同士のような言葉を交わしている。
藤本さんの時と同じだ。