孤児院で……-1
「なぁ、ヨウコはどうして孤児院を抜け出したんだ?」
俺はヨウコが回復するのを待って尋ねた。
「いや、言いたくなけりゃそれでも良い、ちょっと興味があるだけだから」
「……あんまり思い出したくないかも……でも良いよ」
「無理にとは言わないぜ」
「ううん、聞いて貰いたい気もするから……その代わり……」
「その代わり?」
「話し終わるまでこうして抱いててくれる?」
「ああ、もちろんだ」
そう言ってやると、ヨウコはチラッと俺を見上げ、目を伏せて話し始めた。
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
ヨウコは8歳で母親を亡くし、孤児院に入れられた。
この国、特にこの街では孤児院は常に定員オーバー状態、政府に金はないので新しい施設は建てられず、職員も常に不足している。
お世辞にも子供を『育てる』と言うような環境とは言えず、義務教育が終わる12歳まで『生かしておく』のが精いっぱいだ。
子供たちはその時点で社会に放り出されるわけだが、実際にはその年齢で出来る仕事は限られるし、一人で生きて行くことも難しい。
最も一般的なのは寮のある工場に勤めること、ほとんどの場合一生を工員で終えることになるわけだが、住む場所と食事、つまり命を繋ぐことだけは保証される。
だがそれは問題のない子、工員として真面目に勤めて行けそうな子に限られる。
反抗的だったり問題を起こしたことがあるような子は工員の口にもありつけない。
そんな子の内、身体が大きくて喧嘩の強い男の子はギャングに、ある程度見た目の良い女の子は娼婦になる。
だが最近はギャングも少女娼婦もめっきりと少なくなり、その口もかなり限られる、工員になれず、裏町の更に裏ですら生きて行くこともできない子は……野垂れ死にするかギャングに殺されるかのどちらかだ、ギャングが子供を殺してどうするのかって? まあ、街中でぶち殺すわけじゃない、モグリの医者が秘密の手術室で臓器ごとにばらばらにして行くのさ、それをどこに売るのかまでは知らないがね。
それゆえに、工員の口にはありつけそうにない子たちはギャングか娼婦になる予行練習に励むことになる、10〜11歳ともなれば童貞、処女ではなくなる子も少なくない。
そして、そもそも裏社会で生きて行こうと考えるような子なので、倫理観は安物のトイレットペーパーのように薄い。
ヨウコが孤児院に入れられて1年ほど経った頃だった。
「え? 何……」
その先は口を塞がれて声にならなかった、一人で廊下を歩いていると12歳の女の子部屋に引っ張り込まれたのだ。
「この娘だろ?」
「ああ」
ヨウコを引っ張り込んだのは娼婦予備軍の女の子たち、だが、部屋の中にはギャング予備軍がたむろしていた。
「こんな小さい子を犯りたいだなんて物好きだねぇ」
そう言いながらせせら笑っているのは不良少女たちのリーダー、ホワ。
ヨウコの容姿はかなり目立つ、浅い褐色の肌を持つのが普通のこの国にあって、日本人の血を引くヨウコの肌の色は際立って白い。
顔立ちも目を惹くものだ、大きくぱっちりした眼とでんと座った鼻、厚めの唇を持つ娘が多い中、切れ長の眼とスッキリ通った鼻筋、小さめの唇は男の子たちには魅力的なのだ。
魅力的だと思えばやりたくなる……思考も倫理感も薄っぺらなギャング予備軍なら当然そうなる。
「んぐぅ……」
ヨウコは女の子たちの腕から逃れようとするが、12歳の子二人がかりで床に押さえつけられては逃れられるはずもない、じたばたして抵抗しようとするがあっさりショートパンツと下着を取り去られてしまった。
「へへ……堪んねぇな」
そう言いながらヨウコの足元に立ったのは、12歳の男の子たちの中でも一番体が大きく力も強いグエン、この孤児院の中では牢名主のような存在だ。
グエンの下半身は既にむき出し、身体の大きなグエンは身体に見合ったサイズのペニスを持っている、大人のペニスに比べればまだまだ発育途上ではあるものの、8歳で処女のヨウコにとっては大きすぎる代物だ。
ヨウコはまだセックスと言うものを知らなかったが、下着を取られて丸出しの下半身で脚を広げさせられ、グエンが勃起したペニスをしごきながら膝をついてペニスを近づけて来れば何をしようとしているのかくらい本能的にわかる、身をよじって逃れようとするが、2人の女の子に腕を片方づつ捉まれていては逃げようがない、そしてグエンに両脚を抱えられるとヨウコの腰は宙に浮いてしまった。
「うぐぅぅぅぅぅっ!」
目もくらみそうな激痛と共に処女膜が破られた。
グエンは前戯などと言うものは知らない、まだ経験がなく濡れてもいない未開通の小さな性器に、充分に発育していないとは言えいきなりペニスを突き立てられたのだ、痛くないはずがない。
「うおっ、こりゃきついな、チンポをちぎられそうだ」
グエンはそう言いながら無遠慮に腰を振る、引き裂かれた処女膜を幾度となくこすられ、ヨウコの意識はぷつんと途絶えた……。