第十七章 扉の向こう側へ-1
第十七章 扉の向こう側へ
かおりさん達が裕君を連れてコテージを出ていくと、静けさが部屋の中を支配した。
あの秋生さんでさえ、はしゃぐことができずに黙り込んでいる。
1対3で私を犯すことは、レイプするのに等しい。
多分、これから始まる隠微なシーンを想像するだけで興奮が沸き上がっているのだろう。
私と同じように。
只、少し違うのは私にとってレイプされるのは初めてではないこと。
藤本夫妻に懺悔した通り、私はレイプされながら感じてしまう淫乱な女なのだ。
夫である裕君を裏切った罪悪感は重くのしかかり、私を押しつぶそうとしていた。
それを、藤本さん達二人は救ってくれたのだ。
「上書きしましょう・・・」
単純でシンプルな表現であることがかえって、私を安心させてくれた。
「結局、過去を変えることはできない・・
だから・・・」
トツトツとした口調で言葉をつなげていく。
「もっと過激な・・・くだらないレイプなど、
忘れてしまうほどの体験をするのです」
藤本さんはそう、提案してくれた。
それが、今回の「歓迎会」なのだ。
何も知らない裕君は私を気遣って、反対しそうになっていた。
でも、私にとってこの機会を逃すと一生、トラウマを残すことになる。
藤本さんの言う通り、私をメチャクチャにしてもらい、忌まわしい記憶を上書きで消去するのが一番だと思う。
裕君にはだますみたいで悪いと思ったけど、藤本さんの説得で何とか実行することになった。