第十四章 自己紹介-6
「へぇー、映見ちゃんっていうんだぁ・・・
可愛いなぁ・・俺、超、好みっす」
デレデレした表情に、嫉妬心がムラムラと沸き上がる。
「すっげぇ可愛いから・・・
てっきり年下だと思ってたのに、
お姉さんなんすね?」
マジマジと見つめる図々しい態度に更にムカついたが、映見は嫌がる風でもなく、ただ、頬を赤く染めているだけだった。
まんざらでもないのかと勘繰りたくなる僕だったが、努めて平静を装って声を出した。
「えー、僕・・・私達は今回が初めての・・・
その・・・複数の・・・」
「スワッピング・・・
それも、ペア交換のスワッピング!」
僕がしゃべり終わらない内に言葉をかぶせた秋生は、先輩面して話し出した。
「すっげー興奮するぜぇ・・・
裕ちゃん。もう、悶絶もんだよぉ・・・」
(裕ちゃんって、呼ぶなよっ・・・)
口には出せなかったが、心の中で呟いた。
「今日の会場になっているコテージは一件、一件、離れて建ってるから、どんなに大きな声を出しても外からは聞こえないから、すっげー・・・」
「ハイハイ・・・アキちゃん、それで終了。
説明は藤本さんにまかせなさいっ・・・」
秋生の口を小さな手でふさぐ、そらちゃんは目を輝かせている。
「ごめんねぇ・・・裕太・・君?
そう・・呼んでもいい?」
「映見さんは、裕君って呼んでるわよ・・・」
かおりさんが、フォローする。
一瞬、映見の表情が曇った気がしたのは、気のせいだろうか。