第十四章 自己紹介-4
(ま、まてよぉ・・・?)
僕は頭に浮かび上がった思考に、戸惑った。
(と、いうことは・・・?)
映見が、僕の妻が・・・こいつとセックスをするということじゃないか。
藤本さんや真面目そうな新藤さんならともかく、こんなチャラい奴に映見が抱かれるなんて・・・。
想像しただけで、僕の股間が熱くなった。
(ああ・・こ、これが・・・)
スワッピングということなのか。
自分も他のカップルのパートナーとセックスできる反面、自分のパートナーも生贄に差し出さなければならないのだ。
チラリと映見を見ると、同じことを思っているのか、目を泳がせるように逸らした。
(え、映見ぃ・・・)
心の中で、僕は泣きそうな声を出した。
こいつにだけは映見を抱かせたくないという、強い気持ちがわいたのだ。
「忘れてたっ・・・年齢は・・25歳っす」
(ええっ・・・年下かよ?)
心の中で叫んだ僕はマジマジと秋生を見た。
小太り気味の顔は脂ぎっていて、どうみても30以上のオッサンにしか見えない。
どこかの漫才師にソックリな印象がした。
「ハイハイ・・次は私ね・・・?」
邪魔だとばかりに男の身体をグイグイ押しながら、女が言った。
「アタシは、椎名そら・・・同じく、25歳です。
そらちゃんと、呼んでね?」
いたずらな表情で僕の方を見る。
(か、可愛い・・・)
僕の表情が緩んだのを見逃さない映見の視線が、鋭く飛んだ。
慌てて表情を整えるのだが、中々、元には戻らない。