第十四章 自己紹介-3
僕の喉がゴクリとなった。
さらりと言った言葉だが、つまりは、この男と桜さんは二回もセックスをしているということなのだ。
(やっぱり、凄い・・・
これが、スワッピングなんだ・・・)
何気ない会話が、異常な興奮を呼ぶ。
裸などではなく、日常の中でこそ、隠微な印象が際立っていくのだ。
「アキちゃんっ・・・」
黄色い声が僕の思考をさえぎる。
「早く、私たちも自己紹介しなくちゃぁ・・・」
しびれを切らしたのか、ヒジで男をつついている。
「メンゴ、メンゴ・・・。
スミマセン、みなさん・・・」
ようやく、自己紹介をする気になったのか、軽く姿勢を正している。
「俺・・・・椎名秋生って、言います。
アキちゃんと呼んでくださいっ・・・」
元気な声を出す男をかおりさんが、嬉しそうに眺めている。
まるで、母親のような優しい表情に僕は少し、嫉妬した。
こいつも、かおりさんとセックスをしているのだ。
あの豊満なバストや、きつく締め付けるヴァギナを何度も味わったに違いない。
そんな僕の視線を感じたのか、秋生は(死んだって、アキちゃんなどとは呼びたくない)含むような笑みを浮かべている。