第十四章 自己紹介-2
「新藤さんは華道の先生で、和服は着慣れてらっしゃるのです。以前、その話を伺って、私がぜひ、次回は着てきてくださいとリクエストしたんですよ」
「なるほどぉ・・・スッゲー、いいっすよ。
ナイス、藤本さんっす・・・」
かおりさんが、クスっと笑った。
「ちょっとー・・アキちゃん・・・
新藤さんの紹介の途中よ・・・」
パートナーの背中を小さな手で叩くと、乾いた音がした。
「いってっー・・・
そらちゃん、強いよぉ・・・」
あくまで陽気な態度に、映見までも口元をほころばせた。
「わ、私はぁ・・・」
二人のやり取りが耳に入っていないのか、緊張気味に男が声を出した。
「し、新藤・・・つ、剛と申します・・・。
35歳・・・です」
黒縁の眼鏡を神経質そうに調整しながら、つまり気味に言った。
「まぁたまた・・・
剛ちゃん、固いっ・・・固いよぉ・・・」
茶化す口調に、少しムッとした表情で黙り込んだ。
「今回で五回目じゃん、
今更まだ、緊張してるのぉ・・・?」
隣りのパートナーの肩を抱きながら言葉を続けていく。
「僕達とだって、
二回もスワッピングしてるんだし、
ねぇ・・・?」
視線を向けられた桜さんが、更に顔を赤らめた。