第十四章 自己紹介-13
「あくまでも、新しいセックス体験をするためですので、過剰で激しいプレイは御遠慮願います」
秋生の方を牽制するように、チラリと見ている。
「他に、ご質問はありますでしょうか・・・?」
まるで、何かの会議の議長のように冷静な口調だ。
「異議なーしっ・・・」
秋生の大声で、説明は終了となった。
僕はそれでも、映見が心配で見つめていると、顔を近づけ耳元で囁いた。
「ごめんね・・裕君、黙っていて・・・」
甘い香りがくすぐったく漂う。
「でも、大丈夫だから・・・。
わたし・・裕君のために・・・ううん・・」
とぎれとぎれに言葉をつないでいく。
「え、映見・・・」
映見の瞳が潤み、目じりから涙があふれだしている。
僕も妻の顔を見つめながら、熱い想いがこみ上げるのを感じていた。
(映見・・・・)
同時に、無理に連れてきた自分の我がままに今更ながら後悔していた。
天使がそこにいる。
それを僕は、みすみす目の前の3人の男達の生贄に差し出そうとしているのだ。
映見は、愛する妻は・・・ずっと拒否していたではないか。
(それを僕は・・・)
映見は、そんな僕の気持ちが読み取れるのか、ギュッと手を握ってくる。
真剣な眼差しが、訴えるように僕の心に突き刺さる。
そして、絞り出すような声で言葉をつないでいく。
「私自身のためにも・・・
何か・・・何か、そう・・・変わりたいの」
言い終わった後、優しく唇を重ねてきた。