one-sided love*conviction*-5
「あ…でも俺、話が…。」
「話なら今度でもいいでしょ!」
突然豹変したアタシの態度に戸惑う兄やん。
「え…あ、あぁ…。じゃあ…おやすみな…。」
くしゃくしゃっ――……
頭をなでて、兄やんは部屋から消えて行った。
銀髪の、彼は。
「あ…髪、乾かさなきゃ…。」
ふと、髪に手を伸ばしてみる。
……!!
髪が乾いてる…。
兄やんと話してる間に……?
時間が過ぎるのは…早いな…。
それを思った時、何故か、頬が濡れた。
「に…いや…。」
哀しくて
哀しくて
悲しくて……―――
泣いた途端、
アタシの強がりが終わる。
アタシの抵抗が終わる。
アタシの泣き虫が…止まんないよぉ…。
兄やんじゃない。
チユルが、好き。
もう、確実なんだ…。
苦しい。
苦しいよ、チユ……
この気持ちに気付いた後に
どうしたら、普通に一緒にいられるの――…?
アタシ…そんなに器用じゃない。絶対意識しちゃう…。そしたら、きっと……気付かれる。
アタシは泣いた。声を出して。
廊下に誰かいた気がした。
もし、それが兄やんだったらいいなって…
この想いが、届いたらいいなって…
淡い望みを、抱きながら……―――。
→→*continue*