one-sided love*conviction*-2
「はいよー?」
あ、髪乾かさなきゃ。ベットから起き上がる。
引き出しからドライヤーを取り出し、ベットに戻る。
ガチャ……
「ハユ…入るよ…。」
低い、ハスキーがかった声。
…………低い…?
顔を上げ、声の主を見る。
あ、銀髪…………。っっ???!!
「にっ、兄やん??!」
んなバカな!出かけたんじゃ…??
「あ、ハユ…服…。」
服…?
し、しまった!!お父さん仕事、兄やん遊び、おじいちゃんは、もう対象外(ヒドい)。男がいないから…
下着だけだったぁぁぁぁ!!!
「きっ、きぃやぁぁぁぁぁ!!!」
自分でもびっくりする程のキリキリ声。
アタシから、超音波が発令される。
コウモリだわ!アタシ、コウモリになったんだわ!!
「あ…ごめん。」
頬をポリポリとかきながら、すまなそうに謝る兄やん。
って、近付いて来る…?!
「着な…?」
側にあった、脱ぎ捨てたままのパジャマを羽織らせる。
思考を止めた脳が、最期の疑問を出した。
『てか…普通、部屋から出てくよね…???』
やっぱり、兄やんって……。
天然ボケぶちかましすぎ!
コツン…
兄やんの指が、アタシの鎖骨に当たった。
気付かず、ボタンに手をかける兄やん。
って、このパジャマ…
前のボタンで閉めるタイプの…。
体全体が、警報を受けてる。
頭の中で、真っ赤なサイレンが点滅する。