クラスメイトの母親-5
「ママー、手白木君知らない?トイレに行ったきり戻って来ないのー!」
丁度、最悪のタイミングで亜沙子がトイレ内にまではっきりと聞こえてくる大声で呼ぶ。
彼女は颯人を捜しに二階から一階にまで降りて来たようだ。
「ッ!?え、もう降りて来て‥‥!?」
「俺も居ないものだから、ここまで捜しに来たんですかねぇ」
取り乱した様子で動揺する紗月に、颯人は想像で物を言う。
「ママー?あ、トイレに居るの?」
一階を歩いていた足音が、十秒も経たない内にトイレの前まで迫ってくる。
「ママー、居る?」
ドアのすぐ前から亜沙子の声が聞こえる。トイレ外の廊下側からなら鍵が掛かっていればすぐに分かるので、紗月が中に入っている事は気づいたようだ。
真夏の怪談を聞かされるよりもゾッとして身じろぐ紗月に、颯人は乳房を揉む手を止めずに耳元で囁く。
「想像して下さい紗月さん。今開けたら、確実に娘さんに見られますよね?そうなったら俺達の関係は娘さんだけじゃなくて旦那さんにも分かってしまうワケですよね」
「ッ!?」
悪魔のような囁きに、絶句する紗月。
胸中で彼女に過ぎるのは背徳感。しかし、それによる興奮を覚えてしまい、想像しただけで雌の体は反応する。
「おおっ、急にアソコの締まりが良くなりましたね」
颯人はその様子に加虐心をそそられて、下から腰を動かし始める。
「い、いやぁぁ‥‥!颯人君っ!やぁんっ!お願いぃ!い、今はやめてぇ、あぁんっ!」
上の口では否定の言葉を発しながらも、下の口はこの肉棒をねっとりと味わう為にしゃぶりついている。
「大丈夫じゃないですか?ここのトイレなら喋っても大声出さない限りは向こうには良く聞こえないと思いますし」
「ッ〜!他人事みたいにぃ‥‥!あんっ!あぁんっ!あぁっ!」
声を出したくないのに、声を出さずには居られないジレンマ。それが紗月を快感へと導く。
「え、ママ?どうしたの、何か喋ってる?」
トイレの外にいる亜沙子はノックをして尋ねる。
「ほら、娘さん不審がってますよ。何か言ってあげれば良いんじゃないですか?」
「あぁんっ‥‥!な、何をぉ!?あんっ!あぁんっ!」
「そうだ。俺の事、セフレだと思っているならセフレアピールして所有権を主張して下さい」
「な、何でそんな事を‥‥!?あぁんっ!」
「ほら早く早く。娘さん待ってますよ?」
颯人に急かされ、セックスで脳内を埋め尽くされている頭は素直に従う。
「あぁんっ、ごめんね亜沙子‥‥!あなたの想い人は‥‥!んっ‥‥私のセフレだからぁ‥‥!」
「え?何がごめんなの?くぐもって良く聞こえないんだけど」
やはり、トイレ側からではドアの外に居る亜沙子にははっきりと聞こえてないようだ。最も行為に夢中になっている紗月も聞こえづらい点では同じではあったが。
「はぁんっ‥‥!ママのぉ‥‥!あっ‥‥!大事なセフレだからぁ‥‥!貴方に渡せないぃ‥‥あぁんっ‥‥!」
「大事な‥‥何?渡せない?ママ何か言ってるの?はっきりと聞こえない。もっとはっきりと喋ってよ」
ドアの外に居る亜沙子は聞きづらい事を若干怒っているが、内容がはっきりと聞こえたらショックを受ける事は明白であった。
「だからぁ‥‥んっ‥‥ごめんなさぁい‥‥!あぁんっ‥‥!」
「何か謝ってるの?私、別に怒ってないけど」
「その恋は‥‥諦めてぇ‥‥あぁん!諦め‥‥諦め‥‥イッイクッ」
「え、ママ?‥‥何言ってるの?」
「ごっ、ごめんなさい亜沙子‥‥!私、もう‥‥あっ、あっ、あぁぁっ!?」
「‥‥うっ、射精します。俺の精液受け取って下さい!」
――ドビュッ、ドビュッ、ドビュルルル!!
「あぁぁぁぁぁっーー!?」
娘がトイレの外に居るのにも関わらず、紗月はその娘の同級生の射精と同時に絶頂を迎えた。
「え、ママ大丈夫?本当に大丈夫?」
聞こえてきた母の叫び声にトイレのドアを亜沙子がコンコンとノックをした後に、鍵の掛かったドアをガチャガチャと捻る。
「ふぅ‥‥ほら、紗月さん早く言わないと」
射精してすっかり落ち着いた颯人の言葉に、紗月は絶頂の余韻が残る中で必死に口を開く。
「おほぉ‥‥も、戻ってぇ‥‥!大丈夫だから、部屋に戻ってぇっ‥‥!」
「‥‥大丈夫、戻って?そう、分かった。なら、私部屋に戻るね」
亜沙子が了承してドア外から離れると、それとほぼ同時に紗月はガクン、と頭を垂れる。
「ふぅ、気持ちよかったですよ紗月さん。よく頑張りましたね」
颯人は場違いな口調で褒め称える。
「や、やっぱりSっ気強いよ‥‥颯人君は‥‥」
紗月は皮肉を込めて、そう言うのがやっとであった。