続・花ホテル〜first night〜-8
この部屋に入るまで脳裏に浮かんでは消えていった雑念は残っておらず、
今は言葉ではなく所作によって相手を求めることだけが佐々木の身体を動かす原動力となっていた。
佐々木の右手がバスローブ正面の結び目の紐にかかる。
杏子の方も息を詰めながらの身体の無意識の反応はさておき、佐々木の所作に抗うことなく為すがままになっている。
完全にほどかれたバスローブの中央が左右に別れ、
佐々木の目に杏子の豊かな形の良い乳房と、
はにかむようにして太ももを合わせられた両足が曝された。
一切の下着を身に付けていないことで乳首の屹立や下腹部の黒い茂みもはっきりと分かる。
この姿だけでも、佐々木を求める杏子の想いを言葉を介さず雄弁に物語っているといえよう。
心なしか佐々木も杏子も呼吸が荒くなってきたのが分かる。
佐々木もブリーフの下で自身の欲望が膨れ上がり、今にもズボンからはち切れんばかりになっていることに対して、正直自身の理性を保つことに精一杯だった。