続・花ホテル〜first night〜-18
(全て吸いとられるかもな・・・・・)
目の前で杏子の乳房が激しく揺れ、黒髪が空中を乱舞する様を視界の内にぼんやりと収めながら、佐々木は下半身が波打つ襞の伸縮によりガクガクと震えていく中でひとりごちていた。
男女の一線を越えてから、今まで我慢していたものを吐き出すかのように奔放に振る舞う杏子。
淫らな言葉や仕草をもって佐々木を惹き付け、その肢体をもって佐々木からありとあらゆる力を吸い上げる、さながら快楽のブラックホールのような怖さ。
だが同時にそれならそれでもいい、と佐々木は思う。
杏子と共に花ホテル再建に向かい新たなる歩みを始めるのと、
杏子によって未知の恍惚のなかに導かれ命を失うのも、
それほど大きな差はないことのように思えたからだ。
「もう、もう、私、私はっ・・・」
眼前の杏子が佐々木の首に回した両手に更なる力を込めつつ、まるで泣き出すかのような表情を浮かべて、絶頂を予告する。
佐々木も杏子の腰に回していた両手を形の良い尻付近に添えるや、
より強い力で自ら腰を突き上げ真上にある杏子の中を深々と何度も突き刺した。
互いの吠えるような叫びが室内に響き渡り、
杏子の中で互いの熱と欲望が混じりあった後、
一瞬の硬直とともに脱力したままの裸体を支え合うようにして椅子の上で抱き合う2人。
気づけば互いの荒い息づかいのテンポも、まるで1人の人間のそれのように重なりあっていたのだった――――――