続・花ホテル〜first night〜-17
――――ベットを抜け出し、化粧用鏡台の前に置かれた洋風椅子に座る佐々木。
そんな彼の太腿に杏子が股がり、そのまま腰を下ろし佐々木と繋がる。
椅子の肘掛けには彼女の細い足が乗せられる形で前方に投げ出されていた。
鏡の中には絡み合う佐々木と杏子の横顔、そして互いの繋がった下腹部の動きすらはっきりと映し出されている。
ゆっくりとした腰の動きの合間、目の前で揺れる桃色の乳首に舌を這わせながら、佐々木はホテル勤務中に見せることはなかった別の顔を露にして杏子を翻弄する。
杏子も佐々木の首に両腕を回しつつ、
彼と舌を絡ませたり胸先への愛撫に身を曝していた。
既に男の腰の動きを自身の下腹部の茂みの中で感じながら、
杏子は佐々木の身体に抱きついたまま、ただ感情の赴くがまま快感に身を任せて喘ぎに喘いでいた。
「君がここまでならば・・・・以前ホテルにも来ていた君のお姉さん。あちらはどんなものかな」
「ひどいわ、こんな時に姉を持ち出すなんて・・・・姉と比較して私をいじめるのね」
「お互い様だよ」
既に互いの口調には、身体を重ねてきた男女特有の気安さが漂っている。
杏子の顔が佐々木の左耳に動き、その舌が丸い溝をゆっくりとなぞっていく。
そのまま耳だを口に含んで歯をたて、最初はゆっくり次第に力を加えていった。
佐々木の口から悲鳴とも喘ぎともつかぬ吐息が吐き出されるや、
今度は彼の唇が彼女のそれに覆われる。
互いの唇が開かれ、杏子の舌が入り込み佐々木の歯列の裏をなぞろうとする。その動きを同じく自らの分厚い舌で阻止し、激しく舌を絡ませあった。
互いの口許の隙間から唾を交換させる水音とくぐもった吐息が漏れ、
それぞれが頭の角度を変え、
絡ませた舌を更にリズミカルに動かしていく。
口づけに合わせて杏子自身の腰がゆっくりと上下し始めた。
佐々木の機先を制しつつ自ら腰を動かすことで、自身の中に収まる佐々木の固さから更なる快楽を貪ろうとするかのような動きだった。