続・花ホテル〜first night〜-16
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―――――夜の9時に佐々木が杏子の寝室を訪れてから、実際に結ばれるまでは僅か2時間足らずの出来事。
この2時間ですら佐々木にとっては一生ものの忘れられない時間だったが、
そこから明け方近くに杏子のベットの中で揃って意識を取り戻すまでの長い時間は、その2時間すら凌駕した忘れられないものではなかっただろうか。
言葉を変えれば、めくるめく、という表現がぴったりだろう。
また夢かうつつか、という言い回しも当てはまるものだった。
―――――杏子の右足の膝裏を肩に乗せ、彼女の左足を跨ぐ形で更に腰を前へと進ませる。
互いの腰と足が固定される中、佐々木は腰を短く早く刻みながら杏子を蹂躙していく。
噛み殺すような小さい悲鳴をあげ続ける杏子の顔を見つめながら、無言で体重を傾けつつ、最奥を突いた瞬間に見せた彼女の恍惚の表情をしっかりと目に焼き付けた―――――――
―――――一転して立場を逆転させられてベットに仰向けに横たわる中、
先程杏子の中に欲望を吐き出した直後の佐々木の象徴を杏子が手にし、口に含んで舌を這わせていく。
巧みな舌使いと口の中のなめらかな心地よさに、たちまち蘇った佐々木自身を右手に持って、
杏子は佐々木の下腹部を跨ぐ形で自らの茂みにゆっくりと熱い尖端を導く。
再び佐々木の象徴が杏子の中に包み込まれると、
今度は杏子が自ら腰をくねらせ揺らせて佐々木を締め上げていく。
歯を食いしばる佐々木を尻目に、杏子は両手を彼の肩付近に添えながら、更に腰の動きを加速させていった。
「・・・別れた奥さん、こんなことをしてくれなかったでしょう?」
立場を逆にした杏子の挑発に抗する術もなく、佐々木はここでは杏子の軍門に降った――――――――――