続・花ホテル〜first night〜-12
「あっ、それは・・・・っっ」
杏子は腰をひねり、佐々木の口から逃れようとする。
だが佐々木の口が茂みの割れ目に押し付けられ、その舌が割れ目の蜜をすすり出した時には声なき唸りを上げて腰を震わせ、
寧ろ自ら下腹部を佐々木の口に押し付けていった。
「こんなの・・・ああ・・・もっと、もっと・・・・」
杏子の男性経験の中でこのような愛撫を受けることは初めてではない。
寧ろ日本人ではない亡き夫は積極的であったと行っていいだろう。
だが今夜のような恥ずかしさと新鮮さを感じるのは初めてのように思う。
恐らくそれは相手が佐々木であるからだろう。これまでの部下、そしてこれからの“人生のパートナー“だからこそ。
「これが杏子さんの、味・・・・」
「三樹さん・・・・・・ああ・・・」
「綺麗だし、僕を誘っているようだ・・・・・」
「ん、あっ・・・んふぅぅ」
「こんなことを・・・亡きご主人は、してくれたのかな」
「いやっ、そんなことを、聞かないでっっ・・・」
舌の動きを止めることなく、茂みに唇を押し付けた佐々木のくぐもった問いかけ。
杏子は言葉では抗いながらも、自らの手を佐々木の頭に添えて更なる刺激をねだるような仕草を見せた。
いつしか杏子の肌はじんわりと汗ばみ、男の汗と蜜の香りとが混じりあって、さながら寝室が別の空間のような空気に満ちていった。
佐々木は鼻先かるその空気を十分に肺の中に取り込んだ。