『僕っていけない女の子?』-11
翌朝、若いインターンや看護婦を引き連れて回診にきた冴木副院長の姿を見た途端、僕の貌は真っ赤に染まって、患者服の下のオッパイがフルフルと震えた。
猥らな女の子にされて、凄まじい絶頂地獄に狂わされたばかりだ。新婚初夜の翌朝の処女だった花嫁のような、恥じらいに染まる火照った気分になっても仕方がない。
「カオルさん、随分汗ばんでるようだけど……大丈夫?」
涼し気な女医の貌をした美魔女がからかうように訊ねてきた。
「あ、はい……」
僕は掠れたような声しか出なかった。
「それで、昨日の矯正治療はどうだったのかしら?」
僕以外の者は気付かなかっただろうが、黒縁眼鏡の奥の黒い瞳が獲物を追い詰めるハンターのような妖しい光を放って、女の子のように恥じらう僕に問い詰めてきた。
(ええっ。そんな恥ずかしいことを、みんなの前で訊かないでよっ……)
僕は俯いたまま、返事が出来ないでいた。
「あの治療はね、最低三日は続けた方が効果が上がるんだけど?」
彼女の手が僕の細い手首をギュッと強く握り締めてきた。拒絶出来ないでしょ?……彼女の手がそう言っているように感じた。
「うっ。はい……お願い、します」
僕は蚊が鳴くような小さな声でしか返事出来なかった。
「えっ……よく聞き取れなかったけど?」
美魔女はみんなの前で僕を辱めたいみたいだ。
「わ、わたしの、矯正治療を続けて下さいっ。お願いしますっ」
僕はみんなの前でわたしと大声で言ったんだけど、誰もそれに違和感を感じる者はいない。だって、誰の目にも僕のことは可愛い女の子にしか映ってないんだから。