第九章 深夜の目覚め-2
三か月ぶりのキスの感触は最高だった。
かおりさんの背中は少し汗ばみ、僕の手にしっとりとフィットしていた。
「あふぅ・・ああ・・・はぁ・・・」
長いキスの後、ようやく離れた唇は、惜しむように小刻みに触れ合っている。
「かおり・・さん・・・」
僕のつぶやきを、再び唇でおおう。
「フフッ・・・」
見つめる瞳が、僕を好きだと言っているように感じた。
「久しぶりね・・ボウヤ・・・」
何を言われても、心地良く感じてしまう。
この人を好きだと、叫びたい。
「かおり・・さん・・・」
その後に続く言葉の代わりに、強く抱きしめた。
「かおりさん・・かおりさん・・・」
耳元で何度も囁く。
「ああ・・嬉しい・・・」
かおりさんも僕を抱きしめてくれる。
心地良い時間が過ぎていく。
部屋の中は照明が消され、庭の街灯が窓越しに薄い光を差し込ませている。
「じゃあ・・・」
何度目かの口づけの後、囁いた。
「シャワーを浴びましょう・・・」
潤んだ瞳を向けたまま、僕の髪を優しくなでてくれている。
「それとも・・・このまま・・する・・・?」
その表情が、あまりにも美しく感じて。
僕は、返事をすることができなかった。