女教師・七条比奈-4
校舎三階にある音楽室。基本的に音楽の授業において全校生徒が使う教室であり、原之坂高校の吹奏楽部の活動する部室でもある。
奥の窓際には黒々と輝くグランドピアノが鎮座している。壁には名のある音楽家達バッハ、ベートーヴェン、モーツァルト‥‥等の肖像画が並ぶ。
教室正面の黒板は上下式と言われていて、理科室にも使われる種類だ。明確な違いは黒板に音符を書き込めるよう予め楽譜のような線が引いてあることである。原之坂高校の音楽室の黒板は上の方がそのタイプであり、下の黒板は通常の教室の黒板と同様である。
椅子は生徒の数以上持ってこれるように後ろにも予備がある。現在は前の授業で使ったのか、30脚ほどその場に配置されている。
音楽教師の七条比奈は、先に颯人を音楽室に入れると、引き戸を閉じて、開けたばかりの鍵を内側からガチャッと掛けた。
踵を返して振り返った彼女の表情は、どこか思いつめたようで顔を俯かせている。
「それじゃあ七条先生。成績の話しましょうか?」
颯人は音楽室の壁を背にして、早速本題に入る事を促す。
「‥‥分かっている癖に。それを私に言わせるの?」
比奈の表情が強張る。
「分かっている‥‥とは?俺は先生の指示に従って音楽室に来ただけですが、それ以上の意味があるんですかね?」
颯人はとぼけたように肩をすくめた。その言動は挑発しているようにも聞こえる。が、向かい合う比奈に怒りの感情はない。彼女は後ろめたい気持ちを隠し切れずに言う。
「全部、貴方が言った事じゃない。自分と学校でセックスしたいんだったら、まず成績の話にしてくれ‥‥って」
「あー、そう言いましたね。確かに。でも‥‥」
あれ?と、たった今気づいたような感じでわざとらしく振る舞う。
「確か、七条先生は既婚者ですよね?俺の記憶では春休み前に挙式したと聞いてますが?」
颯人の言う通り比奈は既婚者だ。旦那側の家に嫁入りしたわけだが、仕事上不便という理由で名字はそのままにしている。
ちなみに旦那の職業は同じく学校の先生で、隣町にある中学校の教師である。
「ッ‥‥!そ、それも分かってる、でしょ‥‥!」
比奈は目を泳がせて余裕の無い様子だが、
「俺には分かりませんね。そんな事をいきなり言われても」
そんな彼女の姿を見て颯人は口元の端を吊り上げて、明後日の方向に視線を向いている。
「手白木君お願いよ‥‥私とその‥‥セックスをしてくれないかしら」
困ったように、もじもじと指と指を合わせる比奈。言っている内容は教師と生徒の関係的には完全にアウトである。
「先生。セックスして欲しいんだったら、その前に言う事があるでしょ?それとも連れ込む事に必死で、俺からの命令を忘れたんですか?」
「‥‥ッ!」
颯人のとても生徒の立場とは思えない上から目線の問い掛けに、絶句して無言になる比奈であったが、数秒間固まった後に意を決して衣服に手を回す。
比奈はグレー色のスーツのトップスのボタンに指を掛けて上から順にプツプツと外す。トップスを脱ぐと、膨らんだ胸部を強調する白いブラウスが出る。
彼女は未だに躊躇する指でそのブラウスのボタンも同じように上から順に外す。両手の穴から引き抜いてブラウスを脱ぐと、胸を支えて同時に隠す砦たるブラジャーが露わになる。
ブラジャーは黒いフリル付きの紫色だ。サイズはFカップ。
続いてタイトスカートのサイドファスナーに指を掛けてそれを下ろす。こちらは床にストンと落とせば、パンスト越しのショーツがすぐにお出ましだった。
このショーツもブラの一色のセットのもので同じ意匠で同じ色だ。比奈のはち切れそうなお尻をより良く象る。
比奈は上下の衣服とパンストを脱ぐ。その後、左手薬指の結婚指輪を外して衣服の上に置いた。
下着姿となった女教師を喜色ばんだ顔で見下ろす颯人の前で、両手を床につけて土下座して頼み込む。
「颯人様‥‥!どうか、この淫乱女教師とセックスをして下さいませ!貴方様の精液を受け止めさせて下さい!」
「はい。セックスして欲しい時は全裸か下着姿で土下座でしたね。よく出来ました」
颯人は満面の笑みで比奈の懇願を受け取った。