第七章 懺悔-3
「ウゥゥー・・ウウッー・・・」
かおりさんの胸の中で声を震わせている。
かおりさんは何も言わず、優しく頭をなでてくれている。
藤本さんも黙って聞いているようだ。
「い、淫乱・・淫乱なのぉ・・・」
不意に顔を上げ、声を絞り出した。
大粒の涙が口の中に入っていく。
「かおりさんっ・・・
藤本さん達とのことが、頭によぎって・・・」
かおりさんの腕を掴み、必死に訴えている。
「頭の中が真っ白になって・・・
そして・・自分からぁ・・・」
そこまで言うと、こみ上げるものに言葉が続かなかった。
「うわぁー・・・ああぁー・・ん」
再び、かおりさんの胸に飛び込み叫ぶように涙を流していく。
どれほどの時間がたったのだろう。
部屋の中は時計のかすかに刻む音と、裕君の寝息が聞こえるほど静かだった。
私はかおりさんの肩にもたれるようにして、ボンヤリと窓の外の暗闇を眺めていた。
庭の照明に小さな虫が浮かぶように飛んでいる。
月が木の陰から少し、顔をのぞかせていた。