第六章 再会-4
「だってぇ・・・」
追い打ちをかけるように、声を弾ませる。
「あれから・・凄かったんだからぁ・・・」
キラキラした瞳を僕に戻し、みつめてくる。
「わたしとぉ・・しながら・・・ね?」
「ウッ・・ゴホォ・・・」
飲みかけのコーヒーにむせた藤本さんが、せき込んでいる。
それに構わず、楽しむ口調で続ける。
「映見さん、凄いっ・・映見さんって・・・」
「ウゥッ・・ゴホッ・・・」
僕も同じくせき込んでしまうほど、妖しい声だった。
「フィニッシュに近づくとね・・・
映見っ・・映見って・・・」
「ウゥンッ・・ウンッ・・・」
藤本さんが大きく咳払いして止める。
「き、君だって・・・」
そして反撃の、のろしをあげた。
「裕君っ・・・あなたっ・・裕君って・・・」
今度はかおりさんの顔が赤くなった。
一瞬の沈黙の後、二人は顔を見合わせ、笑いだした。
「ハッハッハハハ・・・」
「フフッ・・ホホホ・・・」
僕が何も言えずに口をゆがませていると、映見がチラリとこちらを見た。
顔が真っ赤になっている。
そして、クスっと笑った。
「ヘヘヘヘッ・・・」
頭をかきながら、僕も笑い出した。
それをきっかけに、四人の笑い声が庭にしばらく響いていた。
楽しいお茶のシーンが続いていく。