第六章 再会-3
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すぐに連絡を取り、週末の今日、藤本さんのお宅に訪問したというわけだ。
開業医ということで、クリニックのそばに建つ家はまさに豪邸だった。
広いリビングは吹き抜けていて、二階の寝室のドアがいくつか見える。
庭も広く、緑の芝生が太陽に照らされ、大きな木々の影がユラユラと揺れている。
テラスにはテーブルが配置され、お茶の用意がされていた。
「さっ・・・どうぞ、楽にしてください・・・」
進められるままに気持ちの良い空間で、熱いコーヒーをいただいた。
「おいしい・・・」
映見が思わず声を出すほど、新鮮で酸味のきいたコーヒーに、僕も満足そうに喉を潤した。
良い豆を使っているのだろう。
「うれしいわ・・・喜んでくれて」
かおりさんが白い歯をこぼす。
「旦那様が朝から張り切って、
焙煎してたんですものね・・・?」
いたずらな目で視線を投げると、藤本さんが少し顔を赤くした。
「そ、そりゃあ・・・
若槻さん達が折角、来てくれるんだから・・・」
「フフッ・・・」
かおりさんの目が僕を意味ありげに見た後、映見に向かった。
「映見さんが・・・でしょ?」
「そ、そんな・・・」
藤本さんの顔がみるみる赤くなり、隠すようにうつむいた。